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Qaptis社、燃焼エンジンからCO2回収

EPFLスピンオフ企業Qaptis社は、トラックやボートのエンジンから排出されるCO2の90%を回収する技術を開発しています。

トラックや船舶からの温室効果ガス排出量大幅削減に向けて開発されたQaptis社の技術は、排出されたCO2の90%を回収し、船内に液体として貯蔵し、後にリサイクルが可能です。
トラックや船舶からの温室効果ガス排出量大幅削減に向けて開発されたQaptis社の技術は、排出されたCO2の90%を回収し、船内に液体として貯蔵し、後にリサイクルが可能です。

世界には約3億5000万台のトラックと95,000隻のボートが存在しており、これらが排出するCO2の量は年間3,440メガトンに達し、地球上の温室効果ガス排出量の8%を占めると言われています。そして、こういった輸送分野における迅速且つ容易な脱炭素化ソリューションはまだ明確になっていませんでした。しかし、Qaptis社が開発し「Kit」と名付けた新技術によって、その概念は覆されます。Kitを活用することにより、CO2と窒素酸化物排出量を最大90%捕捉可能となるからです。

Qaptisが開発した技術は、エンジンの熱を利用してkitを回転させ、排気管から排出されるCO2を捕捉する技術です。既存車両への設置は非常に簡単であり、軽量なため燃費への影響はほとんどありません。車両による温室効果ガス排出量を大幅に削減する魅力的な手段を提供し、燃料や電力供給のために車両やインフラ全体の整備も必要ありません。

捕捉されたCO2は圧縮されて液体化し、車体・船内に貯蔵保管された後にガソリンスタンドなどで回収されます。その後、さまざまな方法でリサイクルしたり、二酸化炭素のエンドユーザへの販売などが可能です。

数々の賞を受賞し、市場参入間近 

Qaptis社の技術はヴァレー州・シオンに立地するEPFL Valais Wallisキャンパス内Laboratory of Industrial Process and Energy Systems Engineering (IPESE)で誕生しました。2019年に同技術保護のために特許を申請し、2021年にヴァレー州でQaptis社は設立されました。その後、Association for Energy Research and InnovationからRIE賞を受賞し、持続可能なスタートアップにとって最も競争力の高い技術コンテストの一つであるClimate LaunchPADでも世界3位に入賞しています。Qaptis社はFoundation for Technological Innovation (FIT) から融資を受けることが決まり、プロトタイプの制作と製品商用化フェーズへの移行を加速させる見込みです。

Qaptis社の技術が開発されたEPFLはスイス・イノベーション・パーク・ウエスト EPFLのネットワークに属しています。同社のCO2回収技術や連携などにご関心がありましたら、スイスビジネス・ハブまでお問い合わせください。

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