ザンクト・ガレン州ウズヴィルのBühler AGと、アールガウ州レンツブルグのコンサルティング会社CN&パートナーズは、使用済み穀物をアップサイクルした代替肉の開発に取り組んでいます。Bühlers社発表のプレスリリースによると、同技術はスイス市場の循環型経済において、植物由来肉としてのソリューション創出の可能性に期待を寄せています。Bühlers社とCN&パートナーズは、アールガウ州レンツブルグを拠点とする合弁会社Circular Food Solutions Switzerland AG (CFS Switzerland) を設立し、技術の更なる発展に取り組みます。
通常、ビール醸造の過程で生産された使用済み麦は、動物の飼料として使用か廃棄という処理がされます。 「この副次的な原料を評価し再利用することは、循環型経済に貢献し、食品廃棄物の削減に役立ちます」と、CN&パートナーズのオーナーであるChristoph Nyfeler氏はプレスリリースで説明し、さらに、「製造施設が主要な原料サプライヤに近接しているため、地域内で調達された原料の使用が可能です」 と付け加えています。これにより、「地域で消費された穀物は、長い供給ルートを持つ他の植物由来代替品よりも、はるかに持続可能な製品と成り得ます」 と、Nyfeler氏は結論づけています。
同プレスリリースでは、使用済み穀物を新技術で再利用することで、その価値を高められることも強調されています。このように副産物や廃棄物がより価値の高い新素材や製品に変換される過程は「アップサイクル」と呼ばれ 、「循環経済の聖杯」 とみなされています。両社は来年夏にも生産活動を開始できる見通しでいます。「2022年1月にSchweizer Mälzerei AGの協力のもとスイス・モルトの生産を開始しており、まもなく、真のスイス・アップサイクル食品の提供が可能となる見込みです」と、Nyfeler氏は説明しています。