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EPFL Innovation Park が共創の場を拡大

創設30周年を記念して、EPFL Innovation Parkがキャンパスの拡張を計画しています。Ecotopeと呼ばれる新設サイトでは、スタートアップ、研究者、外部企業が集まり共創アイデアを寄せ合う場所を提供します。

2023年着工予定の新設サイト「Ecotope」の外観。大手企業、スタートアップ、研究者、学生、市民による共創エコシステムが形成されます。
2023年着工予定の新設サイト「Ecotope」の外観。大手企業、スタートアップ、研究者、学生、市民による共創エコシステムが形成されます。

EPFL Innovation Parkが創設30年を迎え、企業の収容能力を倍増するため、「Ecotope」と呼ばれる新設サイトを増築する計画が進行しています。

EPFL Innocation Parkには既に150社以上のスタートアップ企業と30社の大手企業が入居しており、キャンパス内に勤務する従業員は2,600人を超えています。毎年、EPFL研究室から約30社のスピンオフ企業が輩出されていますが、企業に割り当てられたスペースは満室状態が続き、スピンオフ後の事業拠点確保に苦労しているのが現状です。

継続する同パーク入居の需要に基づく施設拡大の必要性を考慮し、EPFL Innovation Park財団は、スイス連邦工科大学ローザンヌ(EPFL)ヴォー州、エキュブレン市と協力し、今後10年以内に施設の面積(現在は592,000平方フィート)を倍増させることを決定しました。

EPFLでイノベーション担当ヴァイスプレジデントを務め、この計画の責任者でもあるUrsula Oesterle氏は、「この計画は、単純に企業が入居可能なスペースを確保するものではありません」とコメントし、「今日、イノベーションに関心のある企業は、スタートアップであれ大手企業であれ、日常的にアイデアの共有が可能な場所を必要としています。このような活気に満ちて刺激的な環境を、Ecotopeが提供したいと考えています」と加えています。

Ecotopeは、それ自体がエコシステムとして、政策立案者、研究者、投資家、経営者、起業家、学生、そして市民のために開放され、アイデア共有に必要な対話と討論のために集まることを意図しています。新設サイトは自然環境とシームレスな調和が求められるのみでなく、入居企業には閑静な作業環境を提供するとともに、「ヴィレッジ・スクエア」と呼ばれるブレインストーミングやアイデア共有のための共用スペースの設置が重要です。

戦略的優先事項への取り組み強化

Ecotopeはイノベーションの温床としての役割を果たすことを目的としており、持続可能性、環境、高齢化、AI、医療などの社会課題解決に向けて取り組むEPFLの戦略を、学際的なアプローチで支援します。なぜなら、このような課題は広範分野におよぶ場合が多く、異なる分野の知見を集結しなければ解決策の創出に至らないからです。

ヴォー州の経済・イノベーション・スポーツ大臣Philippe Leuba氏は、「Ecotopeの開設は我々の州にとって大きな利益をもたらすことになるでしょう。この地域のイノベーション、ひいては雇用創出を促進し、EPFLはより競争力のある研究機関と成長し、経済全般を強化することでしょう」 と期待を寄せています。

新設サイトはEPFL Innovation Parkから1kmの距離の場所に敷地が確保されています。本年6月上旬にRFPを通じて設計を担当する建築事務所が選定され、2023年に着工が予定されています。第一期工事では総面積269,000平方フィートにわたりオフィス、研究室、共同スペースが建設される見込みです。また、2拠点間の移動にはエキュブレン市の協力を得て、グリーンな公共交通システムの導入が検討されています。

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