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武田薬品が2億スイスフランを投じてスイス製造拠点を拡充

大手製薬グループの武田薬品工業が、ヌーシャテル州に構える製造拠点を拡大します。既存拠点に無菌充填ラインを加え、新たに約40人の雇用創出を見込んでいます。

武田薬品は、既存のヌーシャテル製造拠点に新たに無菌充填ラインを追加し、バイオテクノロジー生産施設を拡張を計画しています。
武田薬品は、既存のヌーシャテル製造拠点に新たに無菌充填ラインを追加し、バイオテクノロジー生産施設を拡張を計画しています。

大手製薬企業の武田薬品工業株式会社(本社:東京都中央区)は、ヌーシャテル州・ピエール=ア=ボに構える既存の製造拠点に2億スイスフラン以上を投じて、新たな無菌充填ラインの建設とバイオテクノロジー製品生産の拡張を計画しています。この拡充により約40人の新たな雇用創出を見込んでいます。

武田薬品でグローバル生産供給部門を統括するThomas Wozniewski氏は、 「本ヌーシャテル工場は当社のグローバル生産ネットワークの重要拠点で、今回のインフラ整備に向けた投資は過去最大規模であることからも、会社にとって長期的な生産拠点としてスイスの重要性を証明しています」と説明しています。 

武田薬品がヌーシャテルに拠点を構えたのは、2019年に英企業Shire社を460億ポンド(当時570億スイスフラン) で買収したことによります。ヌーシャテル州内の高台に位置し、14万平方フィートの面積を誇る同社工場には、22国籍から成る約700人の従業員が勤務し、様々な血友病に対する遺伝子組換え治療薬を製造しています。年中無休で操業することにより世界70市場へ製品を供給しています。

付加価値の高い新規雇用創設

今回の投資の大部分は老朽化した生産ライン設備の更新に充てられ、活性物質分野の生産能力拡大も見込んでいます。充填設備は即時稼働の予定ですが、活性物質製造においては初期段階では全面稼働を必要としないため二段階に分けた整備を行い、新設製造ラインの建設は2025年までに完了する計画です。

ヌーシャテル工場で責任者を務めるJürgen Wagner氏は、約40人の新規雇用創出について「付加価値の高い職務」と説明しています。同氏はまた、職業訓練制度におけるヌーシャテル州との協力体制を効率性を強調しています。同制度を活用することで、企業側は将来的に労働力と成り得る人材に教育を提供でき、自治体側は地域の労働力を優先した雇用を提供可能となるからです。

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