ツークに拠点を構える建設資材メーカーのHolcim社は、スイス東部ザンクトガレン地域に拠点を置くHugelshofer Logistik社製の電気トラックを保有台数を増加させています。Holcim社発表のプレスリリースによると、同社はセメント輸送の電動化に注力しています。
Holcim社は、2030年までに同社で使用するトラックの約1/3をゼロエミッションに転換させる計画であることを説明しています。Holcim Switzerlandが新規導入したボルボ社製の電気自動車は、同社による「グローバル・スタート」を体現し、鉄道網では供給できないスイス国内のコンクリート工場への運送ルートを担う見込みです。Holcim社は、可能な限り鉄道利用での製品輸送に努めており、現在の輸送量の約30%を占めています。
今後、新規導入した電気トラックは、ボーデン湖地域のコンクリート工場へ製品の供給を行う予定であり、Hugelshofer Logistik社がこの運搬過程の運営を担当します。電気トラックによる最初の配送は、トゥールガウ州エッシェンツで再生コンクリートを製造するMöckli Beton社となる見込みです。同社オーナーのChris Möckli氏は、「このように、Holcim社が電気トラックを用いて実施する環境配慮型輸送によってセメントが供給されることを嬉しく思っています」とコメントしています。
90分の急速充電で航続距離は300km程のボルボ FH4x2シリーズの電気トラックの利用により、ディーゼルエンジンを搭載するトラックと比較して、温室効果ガスであるCO2の排出を最大80トン削減することが可能です。
Holcim社は2年前から電気コンクリートミキサー車も使用しており、これより環境配慮型のセメント輸送の基礎が築かれたのです。同社は砂利の取り扱いでも持続可能なモビリティソリューションを模索しており、「車両や機械の電気駆動システムへの転換に全力で取り組んでいる」と説明しています。