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クリプトバレー、コロナ禍でも勢い衰えず

2020年上半期、スイスとリヒテンシュタインでブロックチェーン関連企業数は919社に増加し、その数にはユニコーン企業が6社も含まれています。スイス・ツーク州を中心とするクリプトバレーは、コロナ禍にもかかわらず成長を続けています。

ツーク州には439のブロックチェーン企業が立地し、クリプトバレーの中心地としての存在感を放つ。
ツーク州には439のブロックチェーン企業が立地し、クリプトバレーの中心地としての存在感を放つ。©Zug Tourismus

投資会社Crypto Valley Venture Capital(CV VC)は、Strategy&社とinacta社と共同でクリプトバレーに関する新しい文献の発表を行いました。スイスとリヒテンシュタインに跨るブロックチェーン・クラスターである「クリプトバレー」に焦点をあて、影響力をもたらすブロックチェーン企業を分析してリスト化しています。

同報告書によると、クリプトバレーに立地するブロックチェーン企業数は、2020年上半期に842社から919社に増加しています。クラスター内でさらに企業密集地を細分化し、その中でスイス・ツーク州は現在もクリプトバレーの中心地であり、ブロックチェーン企業439社が拠点を構えています。その他の地域では、チューリヒ州(161社)、リヒテンシュタイン(84社)、ジュネーブ州(49社)、ティチーノ州(44社)、ヌーシャテル州とヴォー州(各28社)、ルツェルン州とベルン州(各18社)などが挙げられています。これらの企業による雇用数は4,784と、2019年末の4,400から増加しています。

クリプトバレー内のブロックチェーン企業上位50社の評価額は約375億米ドルと報じられており、2019年末の同様の額は253億米ドルであったことから、大きな成長がみられます。さらにクリプトバレーには、Ethereum(253億ドル)、Cardano (22億ドル)、Dfinity (20億ドル)、Tezos (18億ドル)、Polkadot (12億ドル)、Libra (US$10億) など、10億米ドル以上の市場価値を持つとされるユニコーン企業が6社存在し、DfinityとLibra以外はツーク州を拠点としています。

上位50社のうち、Bitcoin Suisse社は4800万米ドル、4ART Technologiesは4000万米ドル、Metacoは2000万米ドル獲得など、2020年上半期中に大規模な資金調達に成功しています。

同報告書では、クリプトバレーの大きな成功の理由の1つとして、「世界をリードする規制と法的基盤」を提供していることが挙げられています。また、世界有数の大学との近接性も重要な役割を果たしています。

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