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デジタル金融にとって最適な立地、スイス

スイスの強固な法的枠組みがエコシステム全体の成長を促しており、スイスにおける2021年のデジタル資産取引総額は100億スイスフランに達したことが、世界経済フォーラムで発表された「Swiss Digital Asset Market Report」で明らかになりました。

スイスの良好なビジネス環境がのデジタル資産エコシステムの成長を促進しています。(写真はイメージ)©sergeitokmakov/Pixabay
スイスの良好なビジネス環境がのデジタル資産エコシステムの成長を促進しています。(写真はイメージ)©sergeitokmakov/Pixabay

スイスにおけるデジタル資産エコシステムは成長を続けていることを、5月24日に世界経済フォーラム(ダボス会議)で発表された 「Swiss Digital Asset Market Report」が結論付けています。同報告書によると、スイスのデジタル資産エコシステムには、既に132億スイスフラン相当の資産が保管されており、2021年の年間取引高は412億スイスフランに達しています。

デジタル資産関連企業が1,200以上の雇用創出

現在では、1,200人以上のフルタイム就業者がブロックチェーン産業のデジタル資産運用分野で職務に従事しており、間接的に関わる人材も含めると3,900人を超えると言われています。

同報告書は東スイス応用科学大学(OST)が中心となり制作し、デジタル資産を扱うスイス企業47社を対象とした調査に基づいて算出しています。

スイスの強固な法的枠組み

報告書発表時のプレスリリースで、スイスは、これまでの伝統的な金融と分散型金融 (DeFi) の間に字生じる溝を埋める点で特に優れているとされています。さらに、この要因は、スイスの「実務的な規制と法的枠組み、および、革新技術を携える企業への開放性」に帰すると主張しています。

ツーク州で設立されたイーサリアム財団についても言及しています。ツーク州を起源とするブロックチェーン関連企業のクラスターと知られるクリプトバレーは、ブロックチェーンとデジタル資産の主要なハブ拠点として、現在ではツーク地域をはるかに超えて成長しています。ツーク州は、チューリヒ州、ティチーノ州、ジュネーブ州とともに、報告書制作に積極的に協力しています。

エコシステムを強化する新たな取り組み

「Swiss Digital Asset Market Report」の発表は、「Home of Blockchain.swiss」の設立発表と並行して世界経済フォーラムで行われました。このイニシアチブはSwiss Blockchain Federationの発案によるもので、スイス連邦政府閣僚ウエリ・マウラー氏が支援のもとに組織されています。背景として国外のブロックチェーン企業をスイスに誘致するための基盤づくりがあり、スイス州政府とCV Labsと連携して輸出投資促進を行うスイス・グローバル・エンタープライズ (S-GE) も支援しています。

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