研究・開発

企業の研究開発マネージメントとスイス

スイスでは産学が現実に即した協力体制を取っており、それが製品の市場化までの時間を早めるのに大いに貢献しています。応用科学に重点を置くスイスのユニークな特徴が、貴社にどのようにお役に立てるかをご覧ください。

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スイスのライフサイエンス産業

世界最高峰の研究機関とのコラボレーションの機会をご紹介します。世界屈指の研究者との協働が貴社の製品やサービスのイノベーションを後押しします。スイスの研究開発投資は目覚ましく、製薬会社だけでも2020年に90億スイスフランを投資し、売上高はほぼ2倍になっています。
GDPに占める研究開発費の割合がトップクラスにあるスイスでは、民間企業の投資額が3分の2を占めています。また、企業研究費の世界トップ500社にはスイス企業が14社ランクインしており、ロシュは8位、ノバルティスは14位に位置しています。貴社もスイスに拠点を置くことで、スイスの有する専門知識を共有し、この活況な市場を貴社の製品やサービスのための貴重な実験台として活用することができます。

 

スイスのユニークなアプローチ -  応用研究とコラボレーションを重視

スイスの研究機関は、大学や独立した非営利団体と提携しているケースが多いです。研究機関と産業界との結びつきは強固で、ライフサイエンス企業と密接に連携しながら新製品開発に邁進しています。

応用研究の重視 : スイスでは、企業が、実際問題の解決や新しい製品・プロセスの開発のために研究機関を頻繁に利用します。研究機関は、最新の技術や現場の課題に触れることで、より社会のニーズにあったインパクトのある研究プログラムを展開することができます。

共同研究の重視: スイスの研究機関とライフサイエンス企業は、双方の研究者が専門知識やリソースを提供し、研究プロジェクトで協力しています。このコラボレーションにより、研究が産業界のニーズにとってより重要性を増し、新しい発見が実践的に応用されることとなります。

これらの側面は、スイスの研究開発のダイナミックなエコシステムが発展する後ろ盾となっています。

「我がシテムインゼル社は、ベルンのインゼル病院に隣接して研究開発拠点を構えています。弊社にとって、製造現場のすぐ近くに科学者がいるのは理想的です。約70名の研究者からなる私たちのチームは、産学連携の重要な対話を促進し、技術移転や業務提携、戦略的提携のネットワークを推進しています。」 CSLベーリング社上級副社長兼ゼネラルマネージャー、マルティン・シェーレン氏

スイスのライフサイエンス・エコシステムのハイライト

  • スイス・イノベーションは、スイス全土に6つのイノベーション・パークを擁するネットワークで、公的機関、学術機関、民間企業の共同イニシアチブに基づき、かつ、スイス政府から法的な委任を受けています。6つのパークでは、大学と企業がネットワークを構築する機会を提供しています。このように科学と経済が交流することで、アイデアがさらに発展し、市場に出せる製品やサービスを創出することができるのです。スイス・イノベーションは、企業にとっての大きな意味のあるエコシステムを形成し、大学や高等教育機関と連携して研究活動を拡大することを可能にします。研究者、才能ある個人、革新的な起業家の間でアイデアが共有されることで、イノベーションが生まれ育つのに絶好の環境を作り出すのです。日本では在京スイス大使館内のスイス・ビジネス・ハブがスイス・イノベーションの日本代表事務所を務めています。
  • スイスのイノベーション・エコシステムは、バイオベンチャー企業の発展を支援しています。ヘルスケアのアクセラレーション・プログラムであるBaseLaunchは、ヘルスケアスタートアップ企業の発展を加速させ、ライフサイエンスのハブとしての都市バーゼルを強化することを目的としています。BaseLaunchのサポーターには、ノバルティス・ベンチャー・ファンド、ジョンソン・エンド・ジョンソン・イノベーション、ファイザー、ロシュ、ロイバント・サイエンシズが含まれます。
  • シュリーレン・チューリッヒ・バイオテクノパークは、ライフサイエンスでは国際的に重要なサイエンスパークであり、1,000人以上の従業員を擁しています。ロシュ、ノバルティス、J&J、GSK、ファイザー、サーモフィッシャーサイエンティフィック、セルメディカ、サンスター、ヘプタレスなど、スイスの大企業や国際的企業へのスタートアップの売り込みが成功し、注目を集めています。
  • スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETH Zurich)とスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)をはじめとするスイスの一流大学は、世界ランキングで常に上位にランクインしています(QS世界大学ランキング、上海交通大学ランキング、THE世界大学ランキング)。
  • スイスにはノバルティスやロシュのような財務体質が健全で世界有数の大製薬会社を代表とする数多くのライフサイエンス企業が存在しています。これは、スイスに進出するバイオテクノロジー企業に戦略的パートナーシップを結ぶ幅広い機会を提供します。ロシュは現在バーゼルにヒト生物学研究所(IHB) を設立中で、ここでは、科学者や生物工学者がヒトの組織や臓器の生きた2Dや3Dのミニチュア・レプリカを用いた研究を行うことができるようになります。従業員数は今後4年間で約250人まで増加する予定です。
  • イノベーション促進を担うスイスの政府機関イノスイス(Innosuisse)は、企業が非営利研究機関と協力する研究開発プロジェクトに多額の資金を拠出しています。
  • スイスは優秀な人材や科学者にとって魅力的な土地で、彼らは安定して定着しています。これが新薬の開発に大きく貢献しています。
  • スイスの医療制度は新薬の導入を後押し、企業には洗練されたテストマーケットと販売市場へのアクセスを提供しています。
  • この10年以上、世界132カ国を比較したグローバル・イノベーション指数(WIPO)で、スイスはトップの座に君臨しています。

事業展開ハンドブック

事業拠点としてのスイスの優位点、スイスの投資環境、生産コスト、税制、インフラや新技術、財務、法務など、会社設立に必要な情報をまとめたハンドブック(全168ページ)をぜひご一読ください。

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