スポットライト

エコシステムへのアクセス

スイスが拠点として貴社のお役に立てること

スイスは、バイオテクノロジー、医療技術、製薬の分野で世界をリードする国のひとつです。何がスイスのライフサイエンス産業をユニークなものにしているか、スイスのエコシステムがライフサイエンス企業としての貴社のご成功にいかに寄与できるかをここでご紹介します。

 

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欧州単一市場は、医薬品と医療機器の世界第2位の市場である一方、複雑で細分化した市場でもあります。そこで強みを発揮するのが、まさにスイスのようなパートナーシップやコラボレーションを促進する強力なエコシステムです。これを最大限利用することで欧州での事業拡大を計画している企業は、大きなメリットを享受することができます。

スイスと他のライフサイエンス拠点を比較してみると

  • バーゼルに本社を置くロシュとノバルティス。世界の製薬企業のトップ5のうち2社がスイスを本拠地としています。
  • Biotechgateによる2021年の開発パイプラインの分析では、欧州でスイスは英国に次いで強力な開発パイプラインを有しています。フェーズIII製品のレビューでは、スイスが英国より上位に位置しています。
  • 競争力の向上は、繁栄の向上につながります。ヘリテージ財団による「経済自由度指数」は、貿易の自由、ビジネスの自由、投資の自由、財産権に基づいて各国の経済的自由度を測るものです。2020年の欧州諸国ランキングで、スイスは上位5カ国に入りました。 
  • IMD世界競争力年鑑は、長期的な価値創造を促進するために、各国が資源や能力をいかにうまく管理しているかを測るものです。2021年の欧州各国ランキングで、スイスは1位を獲得しました。 
  • FMグローバル・レジリエンス・インデックスは、破壊的な出来事に対する企業の回復力に応じて、130カ国の回復力をランク付けしたものです。スイスは上位5カ国にランクインしています。The 
  • 製造や物流の混乱は、サプライチェーンに大きな影響を与える可能性があります。IMD世界競争力年鑑による2020年のインフラの質ランキングで、スイスはインフラ全体の質で3位にランクインしています。
  • 研究開発や製造の拠点を新たに選ぶ際には、その国のイノベーションのレベルが特に重要です。European Innovative Scoreboardは、欧州各国のイノベーションを比較し、各国のイノベーションシステムの強さを評価するものです。2021年の評価では、スイスは1位にランクされ、欧州における明確なイノベーションリーダーとして際立っています。

スイスのライフサイエンス・エコシステムは、ロシュ、ノバルティス、バイエル、アボット、メルク、バイオジェン、CSLベーリング、バクスター、ジョンソン&ジョンソン、ハミルトン、メドトロニック、武田薬品工業などの多国籍大手企業と革新的なスタートアップで構成されています。これらの企業は、バリューチェーン全体においてスイスの経験豊富なクラスターの恩恵を受け、新製品やサービスの開発、生産、マーケティングをすべて一箇所で行うことができます!

「スイスでは、チューリッヒ、バーゼル、グレーター・ジュネーブ・ベルン地域という3つの主要な拠点に濃密なエコシステムがあります。これらは、製薬会社にとって不可欠な要素をすべて備えています」UCB社ブルサイト責任者ニコラ・ティエシュ氏

また、スイスには世界をリードする研究機関や病院があります。この業界は約46,000人を雇用し、直接・間接合わせて250,000人の雇用を医薬品部門の成功が支えています。

戦略的なHQロケーション

スイスは、強力なライフサイエンス・クラスターとビジネス・フレンドリーな環境があることから、ヨーロッパに進出するライフサイエンス企業の人気の拠点となっています。欧州のライフサイエンス企業の20%がスイスに本社を置き、これは臨床試験を実施する90社以上の企業にあたるものです。その代表が、ブルーバード・バイオ、ロイバン・サイエンシズ、ベイジーン、ヘンルイ、アルニラム、インサイト、バイオジェン、モデルナ、リューイ・ファーマ、アライン・テクノロジー、アムジェンなどの革新的なバイオ医薬品企業の地域統括会社です。

スイスの活発なエコシステムは、提携やライセンス供与の機会を提供し、スイスの地理的な位置は、欧州市場へ効率的にアクセスできることを意味します。EU/EFTAはもとより、中国、カナダ、日本を含む43カ国とも自由貿易協定を締結しているため、最も重要なグローバル輸出市場へのアクセスが可能です。

「近代的なインフラ、生活の質の高さ、高度な訓練を受けた人材へのアクセスが、スイスの強力で未来志向のバイオテクノロジー産業にとって極めて好条件となっています。そして重要なことは、こうした条件が長期にわたって維持されると確信できることです。」メルク・スイスAG、ゼネラル・マネージャー兼マネージング・ディレクター、クリスティアン・フォン・デア・エルツ氏

ヨーロッパへのマーケットアクセス

スイスは欧州連合に属していませんが、主要な貿易相手国であるEUへの直接アクセスには問題ありません。市場自由化のための様々な協定により、スイスから欧州単一市場へはほぼ平等にアクセスできます。これらの協定により、スイスに拠点を置く企業は約5億人の消費者を抱える市場に容易に参入できます。

スイスは、ヨーロッパの4大市場のうち、 ドイツ、フランス、イタリアの3大市場と国境を接しています。また、この3つの国の言語はスイスの国語でもあります。スイスでは、英語とこの3つのヨーロッパ主要言語を多くの住民が流暢に話します。また、スイスは狭いエリアの中に異なる文化圏が共存しているという大きな多様性を持っているため、ヨーロッパ全体のテストマーケットとしても最適です。

「ライフサイエンス業界にとって、スイスは世界的なマーケットリーダーであり、圧倒的な存在感を持っています。ここには、イノベーション、生産性の向上、資源の有効活用を促進するエコシステムがあり、製薬、バイオテクノロジー、医療技術、健康関連のスタートアップ企業、世界的に有名な研究所などを網羅しています。」- デロイト社 ライフサイエンス部門ディレクター パトリシア・ジー氏

スイスの地域別ライフサイエンスエコシステム

  • ヴァレー州からジュネーブ、そして北はヌーシャテルやベルンまで広がるスイス・ヘルスバレーは、1000社以上の企業と3万5000人の人材が500の研究所と連携し、ライフサイエンスの発展を目指す密度の濃いネットワークとなっています。
  • ジュネーブにあるCampus Biotechは、バイオテクノロジーの研究拠点として卓越した存在です。ローザンヌのBiopôleは、インキュベーター、StartLab、デジタルヘルスプログラムからなる、イノベーション志向のライフサイエンスキャンパスです。
  •  ヴァレー州では、BioArkが中小企業やスタートアップのプロジェクトを産業・商業的に実現させ、ビジネスとして発展させるための支援を行っています。
  • ベルンにあるスイス・トランスレーショナル&アントレプレナー医療研究所(sitem-insel)は、科学的知識を「ベンチからベッドサイドへ」移すイノベーションの実現に取り組んでいます。
  • 革新的なスタートアップ企業とロシュ、ノバルティス、バイエル、アボットなどの巨大多国籍製薬企業、そして世界最先端の研究機関や病院からなる独自のエコシステムを持つバーゼル地域は、デジタルヘルスイノベーターたちのネットワークを継続的に拡大しており、精密医療とデジタルヘルスにおける分野や業界を超えたコラボレーションを促進することを目的とするDayOneというイニシアチブがあります。加えてバーゼルは、ヘルスデータサイエンスの世界的な学会であるIntelligent Health AIBioDataWorld Congressの開催都市です。
  • グレーター・チューリヒ地域には、バイオジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アムジェンなどの大手製薬会社があり、そのエコシステムは、特にアーリーステージのライフサイエンス企業に肥沃な土壌を提供しています。例えば、バイオテクノパークでは、55,000m²の敷地に50社以上の企業と多くの研究機関が入居しています。その中には、Cutiss、Biognosys、Neurimmuneなどの新興企業、イノベーションセンターを持つRoche、遺伝子治療プラットフォームを持つDiNAQORなどが含まれています。また、スイス連邦工科大学チューリヒ校やチューリヒ大学に近く、これらの大学がNEXUS、Wyss Zurich、Loop Zurich、Zurich-Basel Personalized Health Allianceなどの研究活動を支援していることも、企業にとって大きなメリットです。
  •  スイスのアールガウ州にあるスイス・イノベーション・パークInnovaareは、科学研究と産業界から並外れた才能が集まる場所です。スイス最大の科学研究機関であるパウル・シェラー研究所(PSI)と一体化したキャンパスで、会員企業にはPSIの大規模な研究施設と数千人の研究者や科学者に直接アクセスすることができるという比類のない利点があります。
  • ルツェルンに立地する企業は、スイスの中心部に位置するという地理的な利点から、スイス全国から熟練した労働意欲の高い人材を集めることができます。一流大学の卒業生にアクセスできることも、MSDのような企業がルツェルン地域に進出し拠点を置く理由のひとつです。

事業展開ハンドブック

事業拠点としてのスイスの優位点、スイスの投資環境、生産コスト、税制、インフラや新技術、財務、法務など、会社設立に必要な情報をまとめたハンドブック(全168ページ)をぜひご一読ください。

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